「辛口」(切れのよい)のお酒は飲みにくいと思っている方が多い!


店頭において「甘口で飲みやすいお酒を下さい」ということでおいでになるお客様がいます。
“甘口=飲みよい”・・・確かに間違いではありません。では“辛口(切れのよい)=飲みにくい”ということなのでしょうか? これもまた正解ではない。

この言葉の根底には、みなさんが普段出会う日本酒の8~9割の製品に大量に使用されている
醸造用アルコール(エチルアルコール)が大いに関係しています

醸造用アルコールは、穀物を原材料とする純度90%に蒸留精製されたアルコールです。
このアルコールを発酵したタンクに入れます。そうすると度数が本来発酵したアルコール度数より高くなるために多くの水を入れ15度台まで度数を落とします。
その時にできる清酒の総リッター数は、同じ量の米をつかった純米酒の2倍以上のものが生産されるわけです。

そうなると何が起こるか・・・・生産コストが低く抑えられるということです。・・・・そして、そのあとには、ふたつの選択が待ち構えています。
お酒屋さんに「これ!売ると儲かりますよ」といって安く卸しをするか・・・「安売り」ができる商材としてスーパーやディスカウントストアーなどに卸されるわけです。

醸造用アルコールの味覚とは・・・・・まず加水され飲用できるものであっても「辛い」というより、舌に強い刺激を与えます。それを人の味覚は「辛い」という表現をします。
また燗をして「ツーン」と鼻を突くアルコール臭の大半は、この物質が気化したものである。

そのために、そのようなお酒には「辛さ」という刺激を抑えるために「糖類(ブドウ糖等)」を補い、「辛さ」をまろやかにします。そして、最悪の場合は薄めすぎて「旨み」がなくなってしまったお酒に対して旨みを補います。それこそが酸味料であり化学調味料なのです。
戦前までは、このような製造方法で日本酒は造られていませんでした。
すべての日本酒は純米酒オンリーだったのです。

そういうお酒を造った背景には、第二次大戦中の米不足から「いかに少ない米で多くの日本酒を造るか」という課題を余儀なくされた結果だったわけです。

けれど、昭和30年代に入り米余り現象が起きているにもかかわらず日本酒蔵のリーダーたちは、利益優先主義のそのようなお酒を造り続けていました。
そして、地方の数蔵元が
「これでは、日本酒がダメになる」ということで純米酒復活の一石を投じたわけです。
その波紋は、少しずつではありますがひとつひとつずつ広がっていき、ようやく今日を迎えているのです。

ただ、現実の問題として未だ、日本酒の大半はそのようなものが大半を占めているのも事実です。
(話がそれちゃいました・・・ごめんなさい)


では、
本物嗜好の辛口(切れのよい)のお酒と前者にお話ししたお酒との味覚の違いはあるのか・・・というと違うものとお考えください。
それを知って頂くために
「辛口=飲みにくい」という概念を取り払って頂けるお酒をチョイスいたしました。

また「辛さ」といっても大きく分けて二通りのタイプの辛さがあります。ひとつは“アルコール”による辛さ(切れ)と“酸”による辛さ(切れ)

そして本物志向の辛口酒は、ただお酒だけを楽しむのではなく、和食や魚介との相性も良いので一段と楽しめるものと思います。是非、一度お試し頂ければと思います。
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