特別純米で5000円越え、その裏側に何が隠されているのか
三重 伊藤酒造 鈿女山廃特別純米山廃仕込み旨辛原酒1800ml
伊藤酒造は、江戸時代後期から続く歴史ある蔵元であり三重県四日市市にあります。 製造量200石の根強いファンがいる極小蔵。蔵元(杜氏)のお酒造りには蔵元(杜氏)らしいコンセプトとアイデンティティが存在し、この酒類業界に一石を投じることが大好きな蔵元(杜氏)でもあります。
その秘話として毎年イギリスでおこなわれているIWC(インターナショナルワインチャレンジ)に蔵の代表銘柄である鈿女(うずめ)特別純米酒豊穣の舞で出品。そのコンテストに出品していた日本酒の多くは、国内コンテストでこれまで多く受賞しているようなメダルを獲る香り高く豊潤な旨味があるタイプのお酒でした。
しかし蓋を開けてみると香り高く豊潤な旨味を有するお酒ではなく、伝統的な山廃仕込みによる深いコクのある鈿女(うずめ)特別純米酒豊穣の舞でした。さらに全出品酒の中からもっと評価の高いトロフィーを受賞した異色の経歴をもつ蔵元でもあります。
特別純米で5000円越え、そこにどんな価値観が存在しているのか。 今一度、飲み手に問うお酒なのです。
• 蔵元お得意の山廃仕込み。さらに度数は20.9度という代物であり、さらに日本酒度も+15、、、このスペックをみて飲み手はどう思われるでしょうか?
純米ながらも開栓時には若干のアルコール感を感じる香り。しかしどこかやさしさのある口当たりと未熟ながらもふっくらとした米の旨味、、、、さあ、このお酒の醍醐味は中盤からはじまります。
推しの強い度数によるキレの良さ、さらに上書きをする酸によるキレ、、、しかしその切れの良さはいやらしくはなく、ダイナミックな熟成による深みと飲みやすさを兼ね備えたバランスの良い仕上がりです。ロック、加水、加水燗、人肌、炭酸割り、、さらにしっかりと熟成をさせ円熟味を育ててもおもしろそうですね。
しっかりとした味わいの料理や焼き肉たれ、酢豚、赤味噌煮込み、お好み焼き、牛肉の赤ワイン煮込みなどでもお酒負けしないタイプです。
さらに翌年に今一度同じ仕込みでチャレンジしましたが、ここまでのスペックのお酒を醸し出すことができなかったということで、蔵元(杜氏)は悔しがっておりました、、、、、ということで今のところ、とても希少なお酒であるといえますね。